お知らせ

2022年02月25日 展示情報

ROV調査で新発見が続々!世界初「ホクロキンチャクフグ」を展示、日本初記録種「コゲメヤセムツ」を発見!

沖縄美ら海水族館ではこの度、ROV(小型の無人潜水艇)調査で採集した「ホクロキンチャクフグ」の世界初となる生体展示を開始し、またこれまで国内での記録がなかった「コゲメヤセムツ」を日本初記録種として報告しましたのでお知らせいたします。

世界発展示

ホクロキンチャクフグ

≪ホクロキンチャクフグ≫
学名:Canthigaster inframacula

ハワイ諸島・ベトナム沖・小笠原諸島から数例の報告しかないフグ(キタマクラ属)の一種。キタマクラ属では最も深い水深(60-274m)に生息し、腹部にあるホクロのような黒い斑紋が特徴。生態はほとんど知られておらず、飼育例のない稀種。


2022年1月のROV調査により、沖縄県本部町沖の水深216mで泥底付近を単独遊泳する様子を発見し、スラープガン(吸引装置)を用いて採集に成功しました。
 

  • 水深216mで撮影したホクロキンチャクフグ

  • 水を飲み込み、体を膨らませた様子

 

展示場所

1F深海への旅「深海の小さな生き物」 

展示個体

1個体(全長6cm)

展示期間

2022年2月18日(金)~ ※生物の状況により展示を終了することがあります。

日本初記録種

 
コゲメヤセムツ

≪コゲメヤセムツ(新称)≫
学名:Epigonus elongatus

これまでインド洋西部でしか確認されていなかった稀種。和名がなかったため、本種が茶色や黒色の焦げた跡(焦げ目)のような模様を持つことにちなみ、新しく標準和名を提唱した。
ヤセムツ科ヤセムツ属の魚類で、日本から本属魚類は5種が知られており、その多くは水深200m以深の深海から報告されている。
※本種の標本及び生体展示は行っておりません。


報告に使用した個体は全長約6cmの未成熟個体で、2021年3月に沖縄県恩納村沖の水深410mから採集しました。ヤセムツ属魚類は群れで行動する種も知られていますが、当館のROV調査では本種が岩礁の点在する泥底付近を単独で遊泳する様子の撮影に成功するなど、自然下での生態の一端を解明しました。

  • 水深410mで撮影したコゲメヤセムツ

  • ROV(小型の無人潜水艇)

    ROV(小型の無人潜水艇)


当館では引き続き、沖縄周辺海域での調査や飼育を通して、稀少な深海生物の生態解明に繋げていきます。

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