海洋生物の調査研究活動について

沖縄美ら海水族館では、沖縄周辺にみられる熱帯・亜熱帯性の海洋生物の多様性研究や、生理学・生態学的特性を研究することにより、自然環境の保全と持続可能な利用に寄与する活動を行っています。

2021年

ジンベエザメの専門書籍「WHALE SHARKS」が出版されました

ジンベエザメの生態や保全に関する最新の研究成果がまとめられた本、「WHALE SHARKS –Biology, Ecology, and Conservation–」(英語)がアメリカのCRC Pressより出版されました。
一般財団法人 沖縄美ら島財団が管理運営する沖縄美ら海水族館の職員が著者に加わり、ジンベエザメの生態に関する調査や研究の成果を紹介しています。特に、同館の動物健康管理で培った、水中での超音波画像診断や血液分析などによる生理や繁殖に関わる知見は、本種の生態解明や保全の取り組みに不可欠な情報を提供しています。また、本書の各章では、ジンベエザメの成長、代謝、回遊生態、行動、生理や機能解剖学など、あらゆる生物学的分野を網羅的に参照できるようまとめられており、一般の読者から、将来の研究者や保全関係者、資源管理の担当者など、広範囲な読者を対象とする書籍になっています。
当館では引き続き、本種の飼育や調査、研究を通し、世界の研究機関と協力して、さらなる生態の解明に取り組んでいきます。

【代表著者】Alistair D.M. Dove, Simon J. Pierce
○第2章:Whale Shark Reproduction, Growth, and Demography.
S.J. Pierce, S.A. Pardo, C.A. Rohner, R. Matsumoto, K. Murakumo, R. Nozu, A.D.M. Dove. (太字:財団職員)

○第9章:Lessons from Care of Whale Sharks in Public Aquariums.
A.D.M. Dove, R. Matsumoto, C. Schreiber, K. Murakumo, C. Coco, M. Yanagisawa, T. Clauss, L. Hoopes, K. Sato.
(太字:財団職員)

○第13章:Outstanding Questions in Whale Shark Research and Conservation.
全著者による執筆(財団職員含む)

【題名】WHALE SHARKS
Biology, Ecology, and Conservation

【出版社】CRC Press

書籍リンク

希少な鯨類「タイヘイヨウアカボウモドキ」の沖縄3例目の漂着が確認されました!

2021年8月6日、沖縄県北谷町の宮城海岸に大型の鯨類が死亡漂着しているのが発見されました。当財団の過去の研究結果(Kobayashi et al. 2021a; 2021b)をもとに調査したところ、外見および骨格等の特徴から「タイヘイヨウアカボウモドキ」という世界でも過去に20例程しか漂着例のない希少なクジラであることがわかりました。この個体は、体長約5mの若いオスで、国内では鹿児島、北海道に次ぐ5例目、沖縄県内では、2011年、2020年に次ぐ3例目の漂着となりました。
タイヘイヨウアカボウモドキの詳しい生息域や生態はまだ明らかになっておらず、国内では沖縄県内でのみ複数の漂着例が報告されています。当財団では、今後、北谷町や国内外の研究機関と協力して、胃内容物やDNA関連の調査も含め、より詳細な調査、研究を実施する予定です。

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那覇空港に漂着したマッコウクジラに関する研究発表が優秀賞を受賞!

2020年11月26日に那覇空港の連絡誘導路北側の浅瀬にマッコウクジラが死亡漂着しているのが発見されました。マッコウクジラは世界中の海洋に広く分布しており、成熟すると体長は雄で19m、雌で12mに達する大型鯨類です。
今回の事例では、漂着現場の状況や空港の運用制限により、漂着直後に現場での解体作業や重機等を用いた処理が困難であったことから、一定の観察期間を設けた後に、空港敷地内へ埋設処理を実施することとなりました。
当財団では、関係各所と協力して、漂着発見から約2ヶ月間におよぶ鯨体の腐敗状況の観察から埋設処理に至るまでの詳細について調査を実施し、その結果を「令和3年度 沖縄ブロック国土交通研究会」で発表しました。これまで、鯨体放置過程における長期観察結果の詳細とそれに伴う処理方法は報告された事例はなく、本発表は優秀賞(イノベーション部門)を受賞しました。当財団では、今後も鯨類の保全と地域貢献を目的に、海洋生物に関する調査研究を実施していきます。

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沖縄島におけるタイマイの産卵状況に関する論文が掲載されました!

タイマイは世界中の亜熱帯から熱帯地方のサンゴ礁域に分布するウミガメの仲間です。
このウミガメは,産卵場の消失や漁業での混獲などの要因によって減少し,IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストにおいて絶滅危惧IA類に指定される等、非常に絶滅が危惧されています。
沖縄美ら海水族館を管理運営する沖縄美ら島財団では,沖縄島でウミガメの保護活動を行っている方々と連携し、沖縄島で産卵するタイマイの保全のため,1987年から2017年の産卵状況を明らかにしました。
タイマイの産卵は、沖縄県の大宜味村や本部町等の11砂浜において7月をピークに28産卵巣が確認されました。
沖縄島の産卵個体群は小規模であることから、法律による捕獲規制や産卵場である砂浜を守る等、まだまだ保全の強化が必要と考えられました。

【著者名】Isao Kawazu, Kunio Komesu, Muneyuki Kayou, Takashi Inoue,Masakatsu Kino, Konomi Maeda, Shingo Fukada. (太字:財団職員)
【題名】Nesting and reproductive ecology of the hawksbill turtle, Eretmochelys imbricata (Reptilia: Cheloniidae), on Okinawajima Island, Japan
【雑誌名】The Biological magazine Okinawa(沖縄生物学会誌)

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吸引した空気で浮かぶ?ジンベエザメの垂直採餌の仕組みに新説

ジンベエザメは全長12メートル以上になる最大の魚類です。このサメはプランクトンを主食としますが、その摂食行動は非常に複雑であることが知られています。中でも特徴的な行動に垂直採餌があります。ジンベエザメは口を水面に向けて垂直に立ち、水面に浮かぶプランクトンを吸い込んで食べます。
垂直採餌の謎のひとつは、サメの体は一般的に水より比重が重たいにも関わらず、採餌中に沈んでしまわないことです。しかも、採餌中は尾鰭の動きを完全に止めて水面に浮かんでいるように見えることがあります。
本研究では、沖縄美ら海水族館で飼育されている二頭のジンベエザメの体積と比重を推定し、水中での重さを計算しました。その結果を踏まえ、垂直採餌中に吸い込む空気が口腔や鰓腔に滞留し、その空気の浮力によってジンベエザメは水面に浮かんでいるとの仮説を提唱しました。つまり、ジンベエザメは、吸い込んだ空気によって楽をしながら餌を食べていると考えられます。

【著者名】Taketeru Tomita, Minoru Toda, Kiyomi Murakumo, Kei Miyamoto, Rui Matsumoto,
Keiichi Ueda, Keiichi Sato (すべて財団職員)
【題名】Volume of the whale shark and their mechanism of vertical feeding
【雑誌名】Zoology

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ザトウクジラの沖縄とフィリピンの海域間交流に関する論文が掲載されました!

北太平洋のザトウクジラは、夏にロシアやアラスカなどの高緯度海域で摂餌を行い、冬に沖縄やフィリピンなどの低緯度海域で交尾や出産、子育てを行います。また、ザトウクジラは尾びれの特徴から個体を識別することが可能です。当財団では、この特徴をもとに、フィリピンの研究組織(BALYENA.ORG)と共同で調査を行い、2海域間のザトウクジラの交流(行き来)について明らかにし、国際学術誌に報告しました。

【著者名】Acebes J. M. V, Okabe H, Kobayashi N,Nakagun S, Sakamoto T, Hirney B, Higashi N, Uchida S. (太字:財団職員)
【題名】Interchange and movements of humpback whales (Megaptera novaeangliae) between western North Pacific winter breeding grounds in northern Luzon, Philippines and Okinawa, Japan
【雑誌名】Journal of cetacean research and management

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希少なクジラ「タイヘイヨウアカボウモドキ」の沖縄初記録に関する論文が掲載されました!

2011年7月30日、沖縄県うるま市の浮原島の海岸に見慣れないクジラが死亡漂着しているのが発見されました。当財団と国立研究開発法人水産研究・教育機構と共同で、外見や骨格の特徴、DNA(遺伝的情報)を用いた分析を行ったところ、このクジラは「タイヘイヨウアカボウモドキ」という、世界的にも極めて珍しい種であることが判明しました。この個体は、体長4.8mの若いオスで、国内では鹿児島、北海道に次ぐ3例目、沖縄では初の漂着報告となり、本個体の生物学的知見が国際学術誌に掲載されました。
当財団では、本個体の全身骨格標本を作製し、沖縄美ら海水族館「美ら海プラザ」にて展示中です。

【著者名】Nozomi Kobayashi, Koji Tokutake, Hideyoshi Yoshida, Haruna Okabe, Kei Miyamoto, Haruka Ito, Naoto Higashi, Shingo Fukada, Kei Yamazaki, Suguru Higa, Isao Kawazu, Keiichi Ueda (太字:財団職員)
【題名】The First Stranding Record of Longman’s Beaked Whale (Indopacetus pacificus) in Okinawa, Japan.
【雑誌名】Aquatic Mammals

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硬さは鋼鉄級!ヤシガニのハサミの微細構造を解明しました

陸上最大の甲殻類であるヤシガニは体重の100倍近い挟む力を発揮します。その巨大な力に耐えるハサミの殻の秘密を解明するため、物質・材料研究機構(NIMS)と当財団は、最新機器を用いて微細構造を解明しました。

【著者名】Tadanobu INOUE, Shin-ichiro OKA, Toru HARA  (太字:財団職員)
【題名】Three-dimensional microstructure of robust claw of coconut crab, one of the largest terrestrial crustaceans
【雑誌名】Materials & Design

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絶滅危惧の固有種ヒョウモンドジョウの遺伝的特性を明らかにしました。

ヒョウモンドジョウは世界でも琉球列島のみに分布する固有種です。近年は生息環境の悪化により激減しており、2020年には沖縄県指定希少野生動物となり、無許可での捕獲等が禁止されました。当財団は、琉球大学、沖縄科学技術大学院大学(OIST)、名護博物館の研究者とともに、本種の野生群の遺伝的多様性に関する調査を実施しました。

【著者名】岡慎一郎笹井隆秀花原望宮本圭、小林大純、村田尚史、前田健 (太字は財団職員)
【題名】沖縄県におけるヒョウモンドジョウの遺伝的特性
【雑誌名】Fauna Ryukyuana

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世界初発見!希少なクジラ「タイヘイヨウアカボウモドキ」の新生児発見に関する論文が掲載されました。

2020年7月13日、沖縄県宮古島市の海岸にタイヘイヨウアカボウモドキの新生児が死亡した状態で漂着しているのが発見され、この報告が学術誌Marine Biodiversity Records に掲載されました。タイヘイヨウアカボウモドキは、世界的にも目撃例の極めて少ない大変珍しいハクジラ類の一種です。これまでの研究から最大体長が6m前後であることが報告されていましたが、出生時の体長については明らかにされていませんでした。今回宮古島に漂着した個体は、体長2.35mのメスの個体で、体表面には生後数週間の個体にのみ確認できる在胎痕(胎児が母体内で体を折り曲げているために残る体表面のシワ)が残っていました。このことから、この個体は生後数週間以内の個体である可能性が高く、またタイヘイヨウアカボウモドキが沖縄周辺海域で繁殖、出産をしている可能性が強く示唆されました。本報告は、謎に包まれた本種の生態を明らかにする上で大変貴重な報告となりました。

【著者名】Nozomi Kobayashi, Sachie Ozawa, Nozomi Hanahara, Koji Tokutake, Takaaki Kaneshi, Ken Inoue, Haruna Okabe, Kei Miyamoto, Keiichi Ueda (太字:財団職員)
【題名】The first record of a Longman’s beaked whale (Indopacetus pacificus) newborn neonate found on Miyako Island, Okinawa, Japan
【雑誌名】Marine Biodiversity Records

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DNAによる稚魚の同定方法に関する論文が掲載されました

沖縄美ら島財団は、DNA解析を用いて、複数のハゼ類の同定に成功しました。ハゼの仲間は世界では2000種以上が知られる非常に多様なグループです。ハゼ類の稚魚は従来の形態学的方法では種同定が難しく、研究の障壁になっていました。
本研究では、ハゼ類の稚魚標本のDNA解析を行い、これまで稚魚の形態が明らかになっていなかった8種を含む13種の同定に成功しました。さらに、DNA解析が困難なホルマリン固定標本でも一定の条件を満たせば解析できる手法を示しました。この手法は、今後の生態系や初期生態の詳細な把握に貢献できると考えられます。

【著者名】Nozomi Hanahara, Kei Miyamoto, Shin‑ichiro Oka (すべて当財団職員)
【題名】Morphological and genetic identification of formalin‑fixed gobioid larvae and description of postflexion larvae of Paragunnellichthys sp. and Ctenogobiops feroculus
【雑誌名】Ichthyological Research

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メガマウスザメは生物発光しないことを立証する研究結果を公表しました

メガマウスザメは20世紀に発見されたサメの中で最も謎が多いサメの一種です。本種の生態については、プランクトンを主に捕食する“ろ過採食”であることが知られていますが、摂餌のメカニズムについては不明とされています。過去の研究では、上顎に顕著な白色帯をもつことに由来する「発光ルアー仮説」や、摂餌時にエサ生物の発光を反射する仮説が存在しますが、長い間その証拠は見出されていません。本研究は、ベルギーのルーバンカトリック大学の研究チームと共同で、メガマウスザメの生物発光に関するこれら仮説の再検証を行いました。
組織学的アプローチ(組織切片、蛍光in situハイブリダイゼーション、走査型電子顕微鏡)および分光光度法による観察の結果、本種は生物発光の機能を有する器官をもたない(発光生物ではない)ことが判明しました。また、口の中や白色帯に存在する細かな楯鱗(サメ肌)には様々な形状が存在し、がプランクトンの発する生物発光を反射する可能性があることが明らかになりました。
本種が“発光する”と考えられてきた要因として、人工的な照明やエサ生物の発光が楯鱗に反射し、発光しているように見えた様子を、ダイバーらが偶然目撃したことが原因ではないかと結論付けました。

【著者名】Laurent Duchatelet, Victoria C. Moris, Taketeru Tomita, Jacques Mahillon, Keiichi Sato, Catherine Behets, Jerome Mallefet(太字:財団職員)
【題名】The megamouth shark, Megachasma pelagios, is not a luminous species.
【雑誌名】PLoS ONE

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2020年

ジンベエザメの体温の安定性について論文が掲載されました

沖縄美ら島財団総合研究センターは長崎大学および東京大学大気海洋研究所と共同で、ジンベエザメの放流時に行動記録と体温計を装着して野外での行動と周りの水温に対する体温の変化を調べその調査結果が論文に掲載されました。

【著者名】中村乙水,松本瑠偉,佐藤克文(太字:財団職員)
【題名】Body temperature stability observed in the whale sharks, the world’s largest fish.
【雑誌名】Journal of Experimental Biology

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新種発見!アカタマガシラが2種に分かれる 見分けるポイントは蛍光にあり!

沖縄美ら島財団総合研究センターとフィールド自然史博物館(米国)の研究チームは、従来、「アカタマガシラ」(イトヨリダイの仲間)として認識されていた種が実は新種であることを明らかにし、新たにParascolopsis akatamaeという学名をつけました。
また、アカタマガシラによく似た既知種Parascolopsis eriommaには、新たに「エンビアカタマガシラ」という和名をつけました。

これまで両種は区別されていませんでしたが、「頭部の色彩」と「尾鰭の形」にわずかな違いが見られるほか、DNA解析からも別種であることが確認されました。
また、両種は青色の光を照射すると眼や鰭が蛍光しますが、アカタマガシラだけ峡部と鰓膜が強く蛍光することを発見しました。この発見により、世界で初めて、蛍光パターンの違いが類似する魚種の識別形質として有効であることが示されました。

【著者名】宮本圭1、Caleb D. McMahan2、金子篤史1
1一般財団法人 沖縄美ら島財団)、(2Field Museum of Natural History)
【題名】Parascolopsis akatamae, a new species of dwarf monocle bream (Perciformes: Nemipteridae) from the Indo-West Pacific, with redescription of closely related species P. eriomma
【雑誌名】Zootaxa

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北海道と沖縄でのザトウクジラ同一個体の発見報告が学術誌に掲載されました

ザトウクジラは、尾びれの特徴から個体を識別することが可能です。沖縄美ら島財団総合研究センターでは、この特徴をもとに、これまでザトウクジラがロシア、沖縄、フィリピン間を回遊していることを明らかにしてきました。

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水を汲むだけでサンゴ礁から291種の魚を検出 環境DNAの論文が掲載されました

沖縄美ら島財団総合研究センターと、千葉県立中央博物館、兵庫県立大学の研究チームは、海水に含まれる「環境DNA」から魚類を検出する「メタバーコーディング法(多種同時検出法)」という技術を用いて、沖縄県本部町備瀬の礁池(イノー)の11地点で採取した海水11リットルから計291種の魚類を検出しました。

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沖縄美ら海水族館にて保護したアオウミガメを放流しました

この度放流したアオウミガメは2020年1月30日、沖縄県糸満市内のビーチにて衰弱した状態でビーチスタッフに発見され、当館に保護・収容されました(保護時:直甲長36.4cm 体重4.7kg)。

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まるでモグラ?! トゲウミサボテン属の新たな行動を発見

トゲウミサボテン属の一種は、刺胞動物門、花虫綱、八放サンゴ亜綱に属するウミエラ類の仲間です。生態の謎が多い本種の行動を記録し分析を行うため、生体の動画撮影を試みた結果、本種が哺乳類のモグラを連想させるように砂の中に潜って移動する様子を複数回記録することに成功しました。花虫綱の動物では、これまでにも蠕動(ぜんどう)運動により砂上を移動することや垂直方向に潜る行動、体に積もった堆積物を除去する行動などが知られていましたが、今回のような砂中の潜行移動は世界で初めての発見となりました。また、形態観察の結果から、蠕虫状(ぜんちゅうじょう)の群体形や、骨軸を持たないこと、通常ポリプが完全に退縮可能であること、三翼状の骨片の形と配置が、これらの行動に利点として働いていることを示唆しました。

【著者名】 櫛田 優花, 東地 拓生,James Davis Reimer (太字:財団職員)
【題 名】 First observation of mole-like burrowing behavior observed in a sea pen
【雑誌名】 Marine Biodiversity

産まれるまでうんちは我慢!?胎生エイの胎仔の排泄システムに関する論文が掲載されました

私たち哺乳類の胎仔は、産まれてくるまでの数か月、お母さんの子宮の中で過ごします。このような繁殖方法を胎生と言います。胎生の動物の胎仔が子宮内で排泄すると、羊水を汚染してしまい、胎仔の成長に重大な悪影響を及ぼしてしまいます。この危険を回避するために、哺乳類の胎仔は産まれてくるまで、糞を体内に貯蔵する仕組みを持っています。

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日本に回遊するジンベエザメは世界のどの地域の個体と交流があるのか?

ジンベエザメは世界の温帯から熱帯の海に広く生息し、広範囲に回遊することが知られています。しかし、日本に回遊してくる個体が、どの地域の個体と遺伝的交流があるか、解明されていませんでした。

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オキゴンドウの繁殖生理の特徴と白血球数との関係についての論文が掲載されました

オキゴンドウは世界中の暖かい海に広く分布する小型歯鯨の一種です。沖縄美ら海水族館では、現在9頭が飼育されています。

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リュウグウノツカイの人工授精およびふ化に関する論文が掲載されました

沖縄美ら島財団総合研究センターは、神秘的で美しい姿の深海魚「リュウグウノツカイ」の人工授精・ふ化に世界で初めて成功し、このほどこれらの詳細をまとめた論文が国際誌に発表されました。

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ミナミバンドウイルカの繁殖能力についての論文が掲載されました

ミナミバンドウイルカは国内では、沖縄美ら海水族館でのみ飼育されている希少なイルカです。今回、沖縄美ら島財団では、飼育下の推定年齢47~50歳の雄のミナミバンドウイルカを対象に血中性ホルモン濃度と精液性状を用いて繁殖能力について解析しました。

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世界最大の魚:ジンベエザメの体温の安定性

沖縄美ら島財団は長崎大学および東京大学大気海洋研究所と共同で、ジンベエザメの放流時に行動記録計と体温計を装着して野外での行動と周りの水温に対する体温の変化を調べた。数百mの鉛直移動によって周りの水温が変化しても、ジンベエザメの体温はゆっくりとしか変化せず、身体が大きいことによる体温の安定性が確認された。

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沖縄ザトウクジラ会議2019-他海域から学ぶ 地元に根差したイルカ・クジラウォッチング-を開催(沖縄県立博物館・美術館)

2019年11月15日(金)、沖縄県立博物館・美術館(那覇市)にて「沖縄ザトウクジラ会議2019-他海域から学ぶ 地元に根差したイルカ・クジラウォッチング-」を開催しました。

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ザトウクジラの新たな繁殖海域発見に関する論文が掲載されました!

ザトウクジラの新たな繁殖海域発見に関する論文が掲載されました!

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水深620mより発見「ウスイロニセホンヤドカリ」を日本から初めて報告しました

2018年5月に沖縄県伊江島沖から採集されたヤドカリの仲間が、これまで日本からは発見例のなかったPropagurus haigae であることを、島根大学エスチュアリー研究センターと沖縄美ら海水族館との共同研究により明らかにしました。深海生物は生きたまま捕獲することが難しく、今回の発見で初めて本種の生時の体色が明らかになりました。近縁のホンヤドカリ属に形態が似ることや、近似種よりも体色が淡いことなどから、新和名「ウスイロニセホンヤドカリ」を提唱しました。

【著者名】大澤 正幸, 東地 拓生※(※水族館職員)
【題 名】First record of Propagurus haigae (McLaughlin, 1997) (Decapoda, Anomura, Paguridae) from Japan.
【雑誌名】Crustaceana

シマツノコシオリエビの新種記載論文が掲載されました

沖縄美ら海水族館で展示していた深海性コシオリエビ類を「シマツノコシオリエビ」という和名で新種記載しました。本種は、沖縄県久米島にある沖縄県海洋深層水研究所の取水口(設置水深612m)より、海洋深層水と共に汲み上げられた個体で、島根大学エスチュアリー研究センターと当館との共同研究の結果、実は新種であったことが明らかになりました。当館では最長で7年間本種の飼育を継続しており、食性や同種間で縄張りを持つことなど、飼育展示を通して生体の一端を解明しました。

【著者名】大澤 正幸, 東地 拓生※(※水族館職員)
【題 名】Two large squat lobsters of the superfamily Chirostyloidea (Crustacea: Decapoda: Anomura) from the Ryukyu Islands, southwestern Japan, with description of a new species of the genus Eumunida Smith, 1883
【雑誌名】Zootaxa

チュラウミカワリギンチャクの新種記載論文が掲載されました

沖縄美ら海水族館で飼育していた深海性のイソギンチャクを「チュラウミカワリギンチャク」という和名で新種記載しました。本種が属するクローバーカワリギンチャク属は、101年前に設立されて以来、長らく1属1種しか知られていませんでしたが、今回の発見で、本属から約1世紀ぶりに2種目が発見されました。また、今回使用した標本は、当館が所有する小型の無人潜水艇(ROV)を用いて、沖縄県恩納村沖の水深320m付近などから捕獲したものです。ROV調査では、本種が海底の岩礁に群れを成して生息する、貴重な様子の撮影にも成功しました。

【著者名】泉 貴人, 東地 拓生※, 藤井 琢磨, 柳 研介, 藤田 敏彦(※水族館職員)
【題 名】Redescription of Synactinernus flavus for the First Time After a Century and Description of Synactinernus churaumi sp. Nov.
【雑誌名】Zoological Science

ガンガゼ科のウニ「ヤミガンガゼ」を琉球列島から初めて報告しました

沖縄美ら海水族館が実施したROV(小型の無人潜水艇)による深海生物調査で、沖縄県国頭郡恩納村沖から、和名の付けられていなかったウニの仲間Eremopyga denudata(de Meijere, 1903) を捕獲し、東京大学と国立科学博物館、沖縄美ら海水族館のチームが、琉球列島初記録種として報告しました。本報告により、本種の生息環境と食性、さらにヒカリイシモチ属魚類との共生が初めて確認されました。光のほとんど届かない深海底に生息することから、ヤミ(闇)ガンガゼと和名を提唱しました。

【著者名】田中 颯, 東地 拓生※, 藤田敏彦(※水族館職員)
【題 名】ヤミガンガゼEremopyga denudata (de Meijere, 1903) (ウニ綱ガンガゼ目) の琉球列島からの初記録
【雑誌名】Fauna Ryukyuana

ヤシガニの発音機構に関する論文が掲載されました

沖縄美ら島財団総合研究センターらの研究グループは、陸生で最大の甲殻類であるヤシガニが多様な音を発することと、その発音システムを明らかにしました。

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日本初記録のハゼ類「ユウナハゼ」の論文が掲載されました

沖縄美ら島財団と沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究グループは、沖縄県恩納村瀬良垣沖の水深214mから無人探査機(ROV)で採集した貝殻の中にいたハゼ類が、日本初記録となるLarsonella pumilusであることを明らかにしました。

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ザトウクジラのロシア海域と他海域間の個体交流についての論文が掲載されました

ザトウクジラは大型のヒゲクジラ類の一種で、夏はロシアやアラスカなどの高緯度海域で摂餌を行い、冬は沖縄、フィリピンなどの低緯度海域で繁殖や子育てを行います。

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ジンベエザメの心臓の内部構造が明らかに

心臓は、全身に血液を送るポンプの働きをする器官で、その構造は動物の運動能力と密接な関係があります。今回、慈恵医科大学と共同で、ジンベエザメの心臓の内部構造を調査した結果、ジンベエザメ特有の構造が複数明らかとなりました。

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深海にすむハタの仲間「キオビイズハナダイ」を沖縄県から初めて報告しました

2017年に与那国島近海から採集されたハタの仲間が、これまで沖縄県からは発見例のなかったキオビイズハナダイPlectranthias sheniであるとして、鹿児島大学と沖縄美ら島財団のチームが報告しました。

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安定同位体分析によりジンベエザメの採餌生態を解明しました

沖縄美ら海水族館で飼育しているジンベエザメが、餌を体内でどの程度、消化・吸収しているか調査するため、皮膚、血液、糞や餌に含まれる窒素および炭素の安定同位体を分析しました。

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雄のジンベエザメの性成熟過程でおこる体の変化を明らかにしました

沖縄美ら海水族館で飼育中の雄のジンベエザメである「ジンタ」の長期飼育により、性成熟に達するまでの形態的特徴や生理的変化に関する以下の知見を、世界で初めて得ることが出来ました。

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2019年

ザトウクジラの漂着、混獲に関する論文が掲載されました

沖縄美ら海水族館を管理運営する沖縄美ら島財団では過去のザトウクジラの漂着、混獲事例について調査しています。

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ウミガメの産卵地である海岸の清掃を実施しました

沖縄美ら海水族館では、地元の調査ボランティアの方々と連携し、水族館のある沖縄本島の砂浜において、ウミガメの産卵回数の調査を行っています。

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【希少淡水魚保全活動】源河川で魚道掃除を実施しました

2019年3月下旬、源河川の魚道閉塞の原因となる流木や土砂を取り除く作業を行いました。

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ヤシガニの研究の内容がNETFLIXで配信されました

オーストラリアの映像制作会社SHOW RUNNER によるNETFLIXオリジナル番組「アジアに棲む危険生物72種(英語タイトル: 72 Dangerous Animals Asia)」が全世界に向けてリリースされました。沖縄美ら島財団のヤシガニの研究が「エピソード2. あごと爪」で紹介されています。ぜひご覧になってください。

https://www.netflix.com/jp/title/80165437

ザトウクジラ研究に関する講演がYouTubeで配信されています

2018年10月に沖縄科学技術大学院大学(OIST)で行われたイベント「TED×OIST」で,沖縄美ら島財団の職員によるザトウクジラ研究に関する講演がYouTubeで公開されました。沖縄のザトウクジラの生態や長年の調査について紹介しています。ぜひご覧ください。

(「TED」とは世界で活躍するあらゆる分野の人物による全世界への情報発信イベントです。講演は英語で行われています)

https://www.youtube.com/watch?v=cXuGxNmF_u4

2018年

世界初 タイマイの3世代目の繁殖成功!

ウミガメ館では、飼育下におけるタイマイの3世代目の繁殖に世界で初めて成功しました。

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イタチザメの飼育下分娩の論文が出版されました。

妊娠中のイタチザメ(上)と、産まれた直後の赤ちゃん(下)

イタチザメは全長4メートルを超える大型のサメで、沖縄周辺に生息する魚食性のサメの中で最大の種の一つとして知られています。
2017年3月に、沖縄美ら海水族館で飼育されていたイタチザメが30匹の赤ちゃんを出産しました。過去には、死亡したメスの体内から胎仔を取り上げて飼育した例が米国で知られていますが、自然分娩が観察されたのは今回が初めてです。
我々の観察結果により、イタチザメの分娩が3時間以上の長時間にわたること、すべての赤ちゃんが尾ビレから先に産まれてくることなど、本種の繁殖生態の一端が初めて明らかとなりました。
さらに、産まれた直後の赤ちゃんは遊泳と休息を定期的に繰り返す、奇妙な行動が見られました。これは、人間の赤ちゃんに「はいはい」をする時期があるように、サメも十分な遊泳能力を身に着けるまでの準備期間があることを示していると考えられます。

論文リンク
https://doi.org/10.1643/CI-17-683

総合研究センターの実施するザトウクジラの調査、研究活動がGoogle Voyagerで紹介されました!

今年6月8日の「World Ocean Day」に、国際自然保護連合(IUCN)とGoogle LLCが共同で製作した、ザトウクジラについて紹介するウェブページ「ザトウクジラの世界を守る」がGoogle Earth上のコンテンツGoogle Voyager内で配信され、この中で総合研究センターのザトウクジラ調査、研究活動が紹介されました。
この活動は、海洋生態系保全の重要性について広く一般に向けて普及啓蒙することを目的に実施されました。ページ内では、世界各地を回遊するザトウクジラの生態とその周辺の海洋生態系、またザトウクジラを調査、研究する研究機関について写真等を交えて詳しく紹介されています。その中で、沖縄周辺に来遊するザトウクジラの紹介として、総合研究センターのザトウクジラ調査が紹介されています。今後も総合研究センターでは、ザトウクジラについての調査、研究を継続しながら、国内外の研究機関等と協力して世界のザトウクジラの保全に向けて尽力してきたいと考えています。

沖縄ザトウクジラ会議2018 -ホエールウォッチング博士から学ぶ、世界のウォッチング事情-を開催(沖縄県立博物館・美術館)

2018年12月7日(金)に沖縄県立博物館・美術館(那覇市)にて「沖縄ザトウクジラ会議2018-ホエールウォッチング博士から学ぶ、世界のウォッチング事情-」を開催しました。本会議は、当財団が行っている鯨類調査を通して得られた情報を、県内外のホエールウォッチング事業者、関係者の方々に紹介し、ウォッチングツアー開催時の情報充実等への一助となることを目的に実施しています。6回目となる今回は、ホエールウォッチング産業に関する研究の第一人者であるエリック・ホイト氏(国際自然保護連合:海棲哺乳類保護区特別委員会 共同委員長、クジラ・イルカ保護協会 主任研究員等)をお招きし、世界のホエールウォッチングの現状と持続的な産業への取組みについて講演を頂きました。会議には、本島各地、座間味島、渡嘉敷島、奄美大島と広い範囲からの参加があり、ホエールウォッチング産業が年々活発化していることが伺えました。質疑応答、意見交換会では、講演内容に関する多くの質問が寄せられ「沖縄のホエールウォッチングの今後について、また自分たちの事業方針について大変考えさせられる内容だった」、「将来、持続的に事業を行っていく上での環境への保全意識の重要さについて再確認できた」等の感想を頂きました。今後も地域観光産業等への貢献を目指し、積極的に意見交換や情報収集を行っていきたと考えています。

沖縄ザトウクジラ会議2018 プログラム・講演要旨

「胎仔が左右の子宮を行き来する!」オオテンジクザメ胎仔の行動生態についての論文が掲載されました。

サメの仲間には、哺乳類のように母体中で胎仔を育てる「胎生」の種が多く存在しますが、その胎仔を育てるメカニズムには、多くの謎が残されています。特に、胎仔の子宮内の生態については、ほとんど情報がありませんでした。
沖縄美ら島財団の研究グループは、新たに開発した「水中エコー」を用いて、妊娠しているオオテンジクザメの子宮内の様子を観察しました。
その結果、オオテンジクザメの胎仔が子宮内を活発に遊泳していることが明らかとなりました。人間と異なり、サメは左右二つの子宮を持ちますが、胎仔が左右の子宮を行き来している様子も観察されました。子宮内を自力で動き回ることができる胎仔がエコーで確認されたのは、他種のサメを含め、脊椎動物で本種が初めてです。
オオテンジクザメは、サメの中でも珍しい方法で胎仔を育てることが知られています。母ザメは子宮の中に無精卵を送り込み、胎仔はその無精卵を食べて成長します。胎仔の高い運動能力は、効率よく無精卵を探索するための適応であると考えられます。

論文リンク
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/eth.12828

沖縄からインドネシアに移動したタイマイ論文が掲載されました

タイマイは熱帯・亜熱帯地域のサンゴ礁に生息し、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに掲載される等、絶滅が心配されているウミガメです。沖縄に生息するタイマイは、インドネシアをはじめとした東アジア地域のタイマイと、遺伝的な交流があることは分かっていましたが、移動を確認した例はありませんでした。
我々は沖縄周辺で衰弱したタイマイを保護し、健康状態が回復した後に、2016年7月13日に海洋博公園の砂浜から標識放流を行いました(標準直甲長749mm,体重47.9kg,雄).その結果、放流から142日後にあたる2016年12月2日、本個体はインドネシアパプア州ヤペン島で再発見されました。直線の移動距離にすると約3200km、このような長距離移動は東アジアにおいては初めての確認となりました.本種の移動回遊に関する知見は未だ乏しく、今後もタイマイの飼育や標識放流を通して、生態の解明に繋げていきたいと考えています。

琉球列島から採集されたアマクサクラゲの論文が掲載されました

琉球列島から鉢虫綱の1種アマクサクラゲが採集されました。本種は傘の大きさが15cmに達し、触手や傘に強い毒の刺胞を持つクラゲで、天草地方に多産することからこの名があります。
インド太平洋の亜熱帯域や熱帯域に広く分布し、日本各地の沿岸から報告がありますが、これまで琉球列島からの記録はなく、これが琉球列島からの初記録となります。

詳しくはコチラ

ソコダラ科の稀種「トラヒゲ」を日本から初めて報告しました

2016年に沖縄県伊江島近海から採集されたソコダラの仲間が、これまで日本からは発見例のなかったCoelorinchus sheniであることを、京都大学と沖縄美ら島財団のチームが報告しました。
本種は2004年に新種として報告されて以降、十数個体しか確認されていない珍しい種類で、これまで台湾からしか見つかっていませんでした。今回報告された個体は地元の漁師さんから寄贈されたもので、全長が70cm近くある大型の個体です。小さいころは背中にトラのような縞模様をもつことから、新和名「トラヒゲ」を提唱しました。

論文リンク
https://www.jstage.jst.go.jp/article/specdiv/23/1/23_230108/_pdf/-char/en

日本初記録のウミヘビ科魚類「カワウミヘビ」の論文が掲載されました

当水族館は、京都市在住の親子が名護市の川で採集したウミヘビ科の魚類が日本初記録であることを明らかにし、和名「カワウミヘビ」を提唱しました。本種の発見は世界的に珍しく、世界で6か所目の発見であると同時に、北限記録が更新されました。本研究の内容は、学術雑誌「Fauna Ryukyuana」に掲載されました。

ヤシガニの調査に人工知能を導入しました

過去の研究で,絶滅危惧種のヤシガニは甲羅の模様で個体識別が可能であることが判明し,その技術を活用して数々の生態的側面が明らかにされてきました。現在も,海洋博公園においてモニタリング調査を継続していますが,これまで熟練者の目視に頼っていた模様の照合作業を効率化するために,画像を認識する人工知能を導入いたしました。
来年にかけて様々なアプローチを試み,精度を確実なものとする予定です。将来的には,本種のモニタリングに広く使用していただけるシステムになることが期待できます。

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クロウミガメの繁殖成功に関する論文が掲載されました

クロウミガメはガラパゴス諸島等の東太平洋が主な生息地で、国内では沖縄島を含めた南西諸島を中心に発見されています。海洋博公園のウミガメ館では1999年よりクロウミガメの雌雄の飼育を開始し、2017年6月、飼育下での繁殖に世界で初めて成功しました。また、今回の繁殖成功によって、雌クロウミガメの成熟開始サイズや、卵形成に要する日数等が明らかになりました。本種の繁殖生態については知見が乏しく、今後も飼育を継続することで、また新たな知見が得られることが期待できます。

論文リンク
http://www.bioone.org/doi/10.5358/hsj.37.180

トラフザメの性ホルモンの変動と生殖状態との関係についての論文が掲載されました

サメ・エイ類の飼育下繁殖を推進する上で、繁殖に適した個体を選別することは重要となる。しかしながら、メスは外部形態から生殖状態を判別することが難しいため、その判別指標が求められていました。
当館で飼育されている性成熟したメストラフザメを対象に1年以上におよぶ生殖器官のエコー観察および血中の性ホルモン濃度の測定を行いました。その結果、性ホルモンの変動が卵発達や産卵期といったメスの生殖状態を反映していることが明らかとなりました。このことから性ホルモンの変動が生殖状態を類推する上で有用な指標となることが示されました。また、トラフザメはジンベエザメと最も近縁であることから、今回得られた結果は今後ジンベエザメの飼育下繁殖に向けても有用な情報になると期待されます。

論文リンク
https://doi.org/10.1016/j.ygcen.2018.03.006

ホホジロザメの“三日月形”の尾ビレの形成過程に関する論文が掲載されました

ホホジロザメは、上下に高さのある「三日月型」の尾ビレを持っています。このような形の尾ビレは、マグロなど高速遊泳を行う魚に広く見られ、長距離を効率的に泳ぐための適応であると考えられています。ホホジロザメの赤ちゃんは母胎から産まれるときにはすでに三日月型の尾ビレを持っていることから、三日月型の尾ビレは母胎内で形成されると考えられますが、その詳細は不明でした。
そこで、我々は20個体以上のホホジロザメの胎仔を調べ、その形成過程を明らかにしました。その結果によると、発生初期の胎仔は「鎌型」の尾ビレを持ち、成長とともに三日月形に変化することが分かりました。尾ビレの形態がこれほど大きく成長変化するサメは近縁種のネズミザメを除いて知られていません。この発見はホホジロザメの高速遊泳適応の謎のひとつを解明するものといえます。

論文リンク
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ar.23776/full

世界初の報告!!長期モニタリングによる ナンヨウマンタの性成熟を確認

沖縄美ら海水族館ではこのたび、2008年6月に生まれ、「飼育下繁殖」に成功したオスのナンヨウマンタ(マンタ)が、性成熟に達した(大人になった)ことが確認されました。

論文リンク
https://bmczool.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40850-017-0023-0

2017年

アカウミガメの3世代目が誕生しました!

海洋博公園・ウミガメ館では、飼育下におけるアカウミガメの3世代目の繁殖に成功しました。今回繁殖に成功したのはウミガメ館にて1995年に誕生したメスのアカウミガメで、5月から6月にかけて産卵した卵より、22匹の赤ちゃんガメが誕生しました。

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沖縄周辺海域のザトウクジラの分布状況について明らかにした論文が日本哺乳類学会論文賞を受賞しました

学術誌Mammal Studyに発表したザトウクジラの分布等に関してまとめた論文が、2017年度日本哺乳類学会(会員数約1000名)論文賞を受賞しました。
同研究では、沖縄周辺海域で実施されてきたザトウクジラ調査結果をもとに、ザトウクジラの分布状況について詳細を報告しました。21年に渡る長期データから、観察の難しい大型海棲哺乳類の基礎生態学的知見を得た点や、ホエールウォッチング等の人間活動を見直す上で貴重なデータを提供している点が特に優れていると評価され、受賞となりました。

DOI
http://dx.doi.org/10.3106/041.041.0405

沖縄ザトウクジラ会議2017~持続的なホエールウォッチング産業に向けて~を開催

ザトウクジラは、かつて商業捕鯨の対象種として捕獲され個体数が減少しましたが、1960年代の捕獲禁止以降は徐々に回復傾向にあるといわれています。沖縄周辺海域でも、ザトウクジラの来遊個体数は増加傾向にあるとみられており、県内のホエールウォッチング産業も益々盛んになっています。こういった中、今後も持続的なホエールウォッチング産業の発展を目指すためには、ザトウクジラの生態についての理解を深めると共に、ザトウクジラへの影響を最小限に抑えたホエールウォッチングの実施や取り組みが必要とされています。

オキゴンドウの赤ちゃんが産まれました

海洋博公園イルカラグーンにて、5月23日(火)8:15にオキゴンドウの赤ちゃんが産まれました。

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アカウミガメの交尾に関する論文が掲載されました

北太平洋のアカウミガメは屋久島を中心とした日本の太平洋側で産卵し、沖縄本島でも多い時で1000回周ほど確認されます。しかし、日本周辺で交尾を確認した例は少なく、いつどこで交尾しているのか良くわかっていません。2015年3月21日、沖縄本島本部半島の西海域でアカウミガメの交尾行動の直接観察に成功しました。特に、1頭の雌の上に2頭の雄がマウンティングする様子や、雌が雄の求愛を受け入れる様子など、非常に貴重な交尾行動が記録されました。さらに本結果から、アカウミガメの交尾は早春から沖縄島周辺で行われる可能性が示唆されました。

DOI
https://doi.org/10.5358/hsj.36.69

クロウミガメの赤ちゃんが誕生しました

海洋博公園・ウミガメ館では、2017年8〜10月に、国内では稀種である「クロウミガメ」の繁殖に初めて成功しました!

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ジョーズの胎仔はなぜ子宮内で窒息死しない?その仕組みを解明

魚類の多くは卵で増えますが、サメには哺乳類同様子宮の中で胎仔を育て、出産するものがいます。ホホジロザメもその一つです。哺乳類の胎仔は、ヘソの緒を通じて母体から酸素の供給をうけています。しかし、ホホジロザメをはじめ多くのサメにヘソの緒はなく、酸素がどのような仕組みで胎仔に供給されているのかは長年の謎でした。
そこで沖縄美ら海水族館では、ホホジロザメの子宮内部を詳しく調査し、その謎を解明しました。
今回の調査により、ホホジロザメの子宮の内壁は微細な突起で覆われており、この突起のおかげで表面積が約60倍になっていることが判明しました。さらに、物理式を用いて子宮表面での酸素交換効率を見積もったところ、他種のサメの250倍から400倍にも達し、魚の鰓に匹敵することが明らかになりました。
つまり、ホホジロザメの子宮は強力な酸素供給能力を持ち、胎仔は子宮内液に溶け込んだ酸素を呼吸に利用していると考えられます。謎に満ちたホホジロザメの繁殖メカニズムについて、また一つ謎が解かれたということになります。

論文リンク
http://www.nature.com/articles/s41598-017-11973-9

オープンアクセスですので全文をご覧いただけます。

沖縄の希少淡水魚「ドジョウ」と「タウナギ」に関する論文が掲載されました

「ドジョウ」と「タウナギ」は水田や池沼を主な生息地とする純淡水魚で、東アジア周辺に広く分布します。両種は琉球列島にも分布しており、他の地域と隔離され独自の分化をとげた、“沖縄在来の固有個体群”の存在が知られています。しかし、両個体群は、生息環境の悪化と減少にともない激減しており、絶滅も危惧されています。また、両種は観賞用や食用として流通していることから、外部個体群の人為的持込による遺伝子汚染も懸念されています。
沖縄島北部に位置する沖縄県立北部農林高校の敷地内を流れる水路では、かねてより両種が頻繁に目撃されていましたが、これまで学術的な調査が行われたことはありませんでした。そこで、同校の生物研究部と共同で両種の生息密度を調査したところ、ドジョウ4.67個体/²、タウナギ1.78個体/²と、いずれも高い密度で生息していました。また、採集した個体のDNAを分析したところ、全ての個体が沖縄在来系統に属することが確認され、保全すべき貴重な個体群であることが分かりました。今後は、同校とも協力しながら本生息地の保全対策を検討していく予定です。

論文リンク
http://w3.u-ryukyu.ac.jp/naruse/lab/Fauna_Ryukyuana.html

2016年

2015年

2014年

2013年

沖縄美ら海水族館年報

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