【続 水槽にトウモロコシって入ってないよね、普通】

場所は沖縄美ら海水族館、早朝の深海コーナー
前回に引き続き、なにやら頭を抱える飼育員の姿が・・・
 
飼育員N(以下N)「ト、トウモロコシが、増えてる・・・。でも今回のは一回り小さいから“ヤングコーンの芯”ね。と言っても、正確にはトウモロコシの芯みたいな見た目をした「ナギレホネガイの卵」なんだけど。」

飼育員S(以下S)「あ、ほんとですねぇ。でも今回のこそ本物のトウモロコシの芯かもしれませんよ。」
N「なに馬鹿なこと言ってんのよ、S。そんなわけないじゃない。実はこの間、ナギレホネガイが新しい卵を産み付ける瞬間をバッチリ見ちゃったんだ、私。」

S「えー、それなら最初からそう言ってくださいよぅ。ていうか、10日前に卵を産み終えたばかりなのに、次々と産卵しますねぇ。このままじゃ、水槽の中がトウモロコシの芯だらけになっちゃいますよ。」
N「あ。そういえば、トウモロコシご飯を作る時には、トウモロコシの芯も一緒に入れて炊くと美味しいんだよねー。」
S「・・・?」
飼育員H(以下H先輩)「コホン(咳払いの音)」
N「あ、H先輩いたんですね(;’∀’)」
H先輩「トウモロコシの芯(ナギレホネガイの卵)の話で盛り上がっているようだが、この芯の部分、よく見ると小さな粒々が見えるのに気づいていたかな?」
N「え?そんなのありました?」
 
水槽を覗き込むNとS
 
NとS (二人同時に)「あ!あった!」

N「なるほどー!この小さな粒々の中に、ナギレホネガイの小さな命が宿っているんですね!」
S「卵嚢(らんのう)の中でしっかり成長が進んで、幼生の姿で生まれてくるのか、それとも稚貝の姿で生まれてくるのか、結果が待ち遠しいですねぇ。」
H「うむ。ふ化するまでには少なくとも数ヵ月かかるだろうが、卵が他の生き物に襲われたりしないかなど、しっかり気を配りながら観察していくんだよ。」
NとS(二人同時に)「はい!!」
 
前回の産卵から、わずか10日で再び生み付けられたナギレホネガイの卵。
水族館の裏側では、日々このように予想外の出来事が次々と起こっている。
2度あることは3度ある?
今後の展開にしばらく目が離せそうもありません。
 
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