【すご技生物~深海編~⑤卵 イモリザメ♪後編】

前回に続き、イモリザメの卵・赤ちゃんについてご紹介します!
 
これまでイモリザメの繁殖についてはほとんど情報がありませんでしたが、沖縄美ら海水族館では2012年頃からイモリザメの卵を育成する中で、水温10℃の場合、約1年半かけて卵から赤ちゃんが孵化することがわかりました。
 
しかし、イモリザメの卵は真っ黒で、卵の中の様子が全く見えません。
そのため、孵化するまでの1年半、元気に生まれてくるのか気が気ではありません。
「未受精卵かなぁ…」「赤ちゃんはちゃんと中で生きているかなぁ…」と心配が募ります。
そこで当館では定期的に卵のエコー検査を行うことで、中の様子を確認することにしました。
こちらがその様子です。

卵を海水から出さないように優しく確認します。
 
こちらは産卵から7か月目の卵の中の様子です。
まだまだ大きな卵黄があり、その右側に小さな赤ちゃんがいるのがわかりますか?


分かりやすく線をつけると・・・↓


こちらは産卵から1年4か月の赤ちゃんです。
もう眼や背骨がしっかり確認できますね。
卵黄も赤ちゃんに吸収されて小さくなってきました。


分かりやすく線をつけると・・・↓


そして、その3か月後に生まれたのがこちらの赤ちゃんです!


先日、生後6か月(ハーフバースデー♪)を迎えました。

全長は14㎝から18㎝に、体色も灰色から親と同じ黒い色になってきました。
沖縄の水深約600mに生息するイモリザメの赤ちゃんは、光にとても敏感なため、現在も水槽を暗くして大事に育てています。
 
生物が次世代に命をつなげる「すご技」を感じて頂けたら嬉しいです!
 
~~
2022年2月28日まで「海のビックリすご技展」開催中!
本企画展は、船の科学館「海の学びミュージアムサポート」の支援を受けて実施しています。
  • 海洋博公園・沖縄美ら海水族館公式Facebook
  • 沖縄美ら海水族館