【研究者も驚いた激レア魚の登場!】

みなさん、はいさい!
先日の記事(美ら海だより3月23日投稿【魅惑の水まんじゅう!? ヒメカンテンナマコ初展示】)で、飼育員が今年一番興奮した生き物「ヒメカンテンナマコ」を紹介しましたが、今回は研究者も驚いた激レア魚を紹介します!
 
その魚がこちら↓

2020年3月16日、漁業者から「見たことのない魚が捕れた」との連絡があり、その後生きたまま水族館に搬入されました。当館スタッフと近畿大学の松沼瑞樹博士による調査の結果、ヒメオコゼ属の稀種Minous groeneveldiに同定されました。
何がそんなに珍しいかというと、この魚は世界中でインドネシア産1個体しか採集例がなく、その標本と水中写真に基づいて2018年に新種として報告されたばかり。しかも、それ以降は発見例の無い謎多き魚でした。それが今回、沖縄県国頭村安田沖の定置網で発見されました!
定置網漁というとジンベエザメやマンタも入るような巨大な網を海に設置して、魚を捕獲する漁法です。(ちなみに安田沖の定置網は全長約250m、幅約70m、水深約40mです。)

こんな巨大な網を使った漁をしながら、手のひらより小さくて珍しい魚を発見し、しかも生きたまま捕獲できるなんて、漁師さんの観察力とテクニックに驚きです。
その漁師さん達がこちら↓

いつも大変お世話になっている安田定置網漁師のみなさんです。
本種には和名がなかったため、採集地である「安田」の地名にちなみ、新和名「アダヒメオコゼ」と命名されました。
 
水槽で観察してみると、胸鰭の一部を使って底を歩く、かわいい動きを見せてくれましたが、日中の大半は砂の中に潜っていることも分かりました。

このアダヒメオコゼは、現在サンゴ礁への旅個水槽「サンゴ礁の小さな生き物」コーナーで展示中です。
砂に潜って頭と目だけ出しているので是非探してみてくださいね!
(底を歩いている様子は水槽上部のモニターでご覧いただけます。)
 
※生物の状況により、予告なく展示を変更する可能性があります。予めご了承ください。
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